法定相続情報証明制度 手続きの流れと利用方法

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戸籍・住民票

1.法定相続情報証明制度とは?

相続手続きで必要となるのが、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍などですが、相続の内容によっては戸籍が膨大な量になることも多く、戸籍の収集と戸籍の情報の読み取りが非常に大変な場合があります。

法定相続情報証明制度とは、収集した戸籍と法定相続情報一覧図を法務局へ提出すれば、法務局は戸籍の内容を確認した上で、「法定相続情報一覧図の写し(法務局の認証文を付したもの)」を交付してくれるというものです。

2.法定相続情報証明制度を利用するメリット

この「法定相続情報一覧図の写し(法務局の認証文を付したもの)」を利用すれば各種相続手続きで、出生から死亡までのすべての戸籍(戸籍の束)をそれぞれ提出する必要がなくなり、面倒な相続手続きに関わる関係者の負担を軽減することができます。

では、具体的にはどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。

2-1.法定相続情報証明制度で必要書類の整理がしやすくなる

法定相続情報制度を利用することによって出生から死亡までの戸籍謄本一式を1枚にまとめることができます。

相続手続きの際、特に不動産、銀行預金などは必要書類が多く、整理することが大変になるケースがあります。

その中でも、亡くなった方の出生から死亡までのすべての戸籍等の相続手続きに必要な戸籍謄本一式は、様々な相続手続きに共通の必要書類の為、それを1枚の法定相続情報一覧図の写しにまとめることで、書類の管理がしやすくなるというメリットがあります。

2-2.「法定相続証明制度」で相続手続きの時間短縮

相続手続きを行う際、複数の金融機関や法務局で「相続手続きに必要な戸籍謄本一式」の原本を提出します。そして原本が戻ってくるのを待ち、戻ってきたら別の手続き先へ提出し、また戻ってくるのを待つといった方法で手続きを進めなければなりません。この方法では、すべての手続きが終わるまでに数カ月もの期間がかかってしまうこともあります。

これに対し、法定相続情報証明制度を利用して、「相続手続きに必要な戸籍謄本一式」の代わりに「法定相続情報一覧図の写し」を必要な枚数取得しておけば、複数の金融機関や法務局などでの手続きを同時に進めることができるので、便利です。そして何より相続手続の時間短縮ができるというメリットがあります。

3.法定相続情報証明制度はこんなときに活用できます

この制度はは以下のタイミングで利用することができますのでご活用される事をおすすめします。
  • 不動産の相続登記
  • 預金の名義変更手続き
  • 相続税の申告

3-1.制度を利用する際の注意点

◆預金の名義変更手続き場合

事前に金融機関に対応しているか確認してから手続きを進めましょう。

◆相続税の申告の場合

下記の要件を満たしたものである必要があります。
  • 「一覧図」は列挙形式ではなく図形式のものであること
  • 子の続柄が、実子・養子のいずれなのかが分かるように記載されていること
  • 養子の場合、その養子の戸籍の謄本又は抄本も添付すること

4.制度を利用する際の手続の流れ

では法定相続情報証明制度を利用する手続きはどのようにすればよいのか見ていきましょう。

1.戸籍等の必要書類の収集



2.法定相続情報一覧図の作成



3.申出書の作成・法務局への提出

↓ ※提出した際に完了予定日を教えてもらえます

◎法定相続情報一覧図の写しの交付

※申し出の手続きは、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家に依頼することができます。

4-1.戸籍等の必要書類の収集

「法定相続情報証明制度」を利用する為には、管轄の法務局へ申し出をする必要があります。まずは、申し出の際に必要になる書類を収集しましょう。

◆亡くなった方の戸籍の附票または住民票の除票

※戸籍の附票は本籍地の市区町村役場、住民票の除票は住所地の市区町村役場で取得できます。住民票の除票を取得する場合は本籍地の記載をしてもらいます。

◆亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本

※まずは死亡時の戸籍謄本を取得し、そこからさかのぼって出生までの戸籍謄本を取得します。さかのぼって取得していく際に「市町村合併」等で戸籍に記載されている市区町村役場が存在しない場合は、戸籍を取得したときに役所の方に聞いてみるとよいでしょうまたインターネットからも従前の市区町村を検索することで現在の市区町村を調べることもできます。また、戦争や震災などで戸籍が消失している場合などは、その旨の証明書を発行してもらって添付することになります。

◆相続人の戸籍謄本または戸籍抄本

◆申し出をする人の住民票または戸籍の附票

※住民票、戸籍の附票の代わりに運転免許証の写しでもよいとされています。この場合は、運転免許証の両面をコピーし、「原本と相違ない」旨を署名して、申し出書に押印する印鑑で押印する必要があります。

◆法定相続情報一覧図に住所を記載する場合は相続人の住民票または戸籍の附票

※法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載するかは任意ですが、記載する場合は、相続人の住民票または戸籍の附票が必要となります。

4-2.法定相続情報一覧図の作成

法定相続証明情報制度について 法定相続情報一覧図

(法定相続情報一覧図)



※法定相続情報一覧図に記載する事項は下記のとおりとなります。
  • 亡くなった人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡年月日
  • 相続開始時の相続人の氏名、生年月日及び亡くなった人との続柄※相続人の住所は任意で記載することができます。
  • 法定相続情報一覧図の作成年月日、申出人の記名、作成者の署名または記名押印、作成者の住所

4-3.申出書の作成・法務局への提出

申出書を作成し、必要書類と法定相続情報一覧図と併せて、管轄法務局へ提出します。申立書の様式は法務局のホームページまたは法務局の窓口で入手することができます。申出は郵送で提出することもできます。申出ができる法務局かをどうかを確認してから提出しましょう。

(管轄法務局)
  • 亡くなった方の本籍地を管轄する法務局
  • 亡くなった方の最後の住所地を管轄する法務局
  • 申出人の住所地を管轄する法務局
  • 亡くなった方を登記名義人する不動産の所在地を管轄する法務局

4-4.法定相続情報一覧図の写しの交付

手続きが無事に完了したら、法務局へ出向いて、「一覧図の写し」を受領し、「添付書面」の返却を受けます。受領の際は、申出書に押印したものと同じ印鑑が必要となります。

また、一覧図の写し等は郵送で受領することも可能です。その際は、申出の時に返信用封筒と郵便切手を提出します。

※申出の際に提出した、申出書と申出人の住民票または戸籍の附票は返却されません。

※申出の手続きは、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家に依頼することができます。

また、法務省ホームページで、詳しい情報をご確認いただけます。

【参考】法務省HP「法定相続情報証明制度」について

まとめ

このように法定相続情報証明制度を利用することで、大量の戸籍謄本を一枚の法定相続情報一覧図の写しにまとめることができ、手続きの際の書類の整理が容易なるなどのメリットがあります

また、手続き先ごとに戸籍を取得する必要もなくなる為、費用を抑えることも可能です。相続手続きが必要な銀行口座や金融資産が多数ある場合などは、法定相続情報証明制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか?

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