相続専門の行政書士が解説 相続手続き 必要な戸籍と取得・取り寄せ方法

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不動産、預金、株式などの相続手続きには、被相続人の相続関係を証明する戸籍謄本が必要となります。普段の生活で戸籍を取るといったら、自分の戸籍を取るくらいだと思われます。しかし相続手続きにおいては相続人を確定させる目的で必要なもので相続手続きの第一歩になるところです。

ここでは相続の専門家、行政書士の横倉 肇さんに戸籍について解説していただきます。


1.戸籍謄本とは

戸籍謄本は日本国民の身分を公に証明するもので、日本国民について出生・親子関係・養子・婚姻・離婚・死亡などを証明するものです。戸籍は身分関係の証明なので、相続手続きの際に証明書類として利用されています。

また戸籍謄本(全部事項証明)と戸籍抄本(一部事項証明)があります。戸籍謄本は、記されている内容全部の写し、つまり記載事項の全てがコピーされているもので、一方戸籍抄本は、記載事項の一部を抜き出してコピーしたものをいいます。


2.相続手続きで必要な戸籍とは

◆相続手続きで必要な戸籍とは

A.被相続人(亡くなった方)の出生~死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)

亡くなった方の父母は誰と誰で、兄弟が何人いるか、誰と結婚したか、子供は何人いるか、養子になったか、いつ亡くなったかといったことがわかります。また出生~死亡までの戸籍を空白期間なく取得することが求められていますので、本籍地が転々としていると取得するのに時間と負担がかかります。

B 相続人全員の現在の戸籍謄本

A,Bを取得することで被相続人の相続人が確定することになりますので、どちらも必要な書類となります。


3.除籍謄本と改製原戸籍謄本

3-1.除籍謄本とは

除籍謄本とは、戸籍に記載された構成員全員が、婚姻や死亡により誰もいなくなったため、「除籍簿」に移された戸籍をいいます。


3-2.製原戸籍謄本とは

改製原戸籍謄本とは、法令等の改正により、戸籍の用紙を改めて書き換えることとなったとき、そのもとになった戸籍を言います。


4.戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)を取得・取り寄せするには

4-1.戸籍謄本はどこで取得できますか?

市町村役場で取得することができますが、どこでもというわけではありません。取得したい戸籍の本籍地を管轄する市区町村役場にて取得することができます。

出生~死亡まで本籍地を管轄する市区町村であれば、1箇所で全て取得することが可能ですが、多くの場合、引越しに伴う転籍・結婚・離婚などで本籍地を変えることで1箇所で全て取得することは難しいのが現状です。


4-2.戸籍謄本取得 本籍地が分からない

戸籍謄本を取り寄せる際、もし本籍地が分からない場合はどうすればよいでしょうか。住民票(亡くなった方の場合、住民票の除票)を取る際に本籍地付きのものを取ればわかりますし、運転免許証でも本籍地が記載されているものがあります。


4-3.戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本)を取得・取り寄せするには

本籍地の市区町村役場に直接出向いたり、郵送で請求することも可能です。

直接出向く場合に必要なもの


  • 戸籍交付申請書(市区町村役場のHPよりダウンロードすることも可能)
  • 印鑑
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)

*亡くなった方と請求する人の関係が、取得する戸籍から確認できない場合は、その関係が確認できる戸籍が必要です。


  • 代理人による取得の場合は、委任状と代理人の本人確認書類
  • 除籍謄本、改製原戸籍 1通750円
  • 戸籍謄本       1通450円

郵送で請求する場合に必要なもの


  • 戸籍交付申請書(市区町村役場のHPよりダウンロードすることも可能)*必要事項記入の上、印鑑押印が必要
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど)のコピー*亡くなった方と請求する人の関係が、取得する戸籍から確認できない場合は、その関係が確認できる戸籍のコピーが必要です。
  • 代理人による取得の場合は、委任状と代理人の本人確認書類のコピー
  • 返信用封筒と切手
  • 除籍謄本、改製原戸籍 1通750円
  • 戸籍謄本       1通450円

*現金ではなく、定額小為替が必要となります。定額小為替はゆうちょ銀行にて取得可能です。

*郵送で請求して費用がどれだけかかるか事前に分かりませんので、多めに定額小為替を入れておくことをお勧めします。定額小為替が不足していると、余計なやり取りが増えますのでご注意ください。


5.戸籍の取得 費用が異なる場合とは

*相続人が多数の場合、費用が変わる可能性があります。

例えばこんなケース

相続手続き  必要な戸籍と取得・取り寄せ方法 次男が亡くなったケースですが、次男に子供がいないので、出生~死亡までの戸籍を収集するのは、亡くなった次男だけではなく、既に亡くなっている父と母と長男が必要となります。


まとめ

一般的には、新しい戸籍、つまり亡くなったことが記載されている戸籍謄本(除籍謄本)から取得し、出生までさかのぼっていくことが多いのですが、現在の戸籍謄本はコンピューター化されて見やすい一方で古い戸籍謄本は手書きで書かれているため解読が難しく、途中で断念する方もおります。

また時間をかけてやればという方もおられますが、相続税申告は相続開始から10ヶ月と待ったなしですので、遺産分割協議始める前の戸籍謄本取得の時点でストップしてしまうと、相続税の申告に間に合わなかったり、相続税の申告はなかったものの相続手続きを放置してしまい、あとで相続人が亡くなったりして相続人が増えたり、変わったりしたことで相続トラブルになったケースも多々ありますので、戸籍謄本の取得は迅速に行う必要があります。



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